
企業リスク管理の最新概念「サイバーレジリエンス」について

近年、企業活動におけるリスク管理のあり方は大きく変化しています。
インターネットやパソコン、クラウドなどのデジタル技術は企業に欠かせない存在となりましたが、その一方で、ウイルス感染やデータ流出といったサイバー攻撃の危険も高まっています。
どれほど対策をしても、攻撃を完全に防ぐことはできません。
そこで注目されているのが、攻撃を受けても素早く立ち直り、事業を続けられる力を意味する「サイバーレジリエンス」です。
今回は、この新しいリスク管理の考え方、「サイバーレジリエンス」についてご紹介します。
サイバーレジリエンスとは
サイバーレジリエンスとは、単なるサイバー攻撃対策ではなく、サイバー攻撃やシステム障害が起きた場合でも、企業の重要な機能やサービスを止めず、できるだけ早く元の状態に戻し、さらに成長していくための力を指します。
簡単に言えば、「サイバー攻撃を受けても、あきらめずに立ち直れる力」です。
例えば、転んでもすぐ立ち上がれる人は「回復力」が高いと言えますが、サイバーレジリエンスも同じです。システムが止まってしまっても、すぐに復旧し、仕事を続けられる会社を目指します。
これまでのサイバーセキュリティは「攻撃を防ぐこと」が中心でした。
しかし、どれほど対策をしても、攻撃を完全に防ぐことはできません。そこで重要になるのが、攻撃される前に準備し、攻撃にすぐ気づき、被害を最小限に抑え、早く元に戻し、次はさらに強くなるという考え方です。
つまりサイバーレジリエンスとは、予防・検知・対応・復旧・学習と改善を一体で考える、企業のための総合的なリスク管理の仕組みなのです。
サイバーレジリエンスの構成要素
サイバーレジリエンスを実現するためには、5つの力をバランスよく備えることが大切です。専門的には「準備・検知・対応・復旧・学習と改善」という流れで整理できますが、難しく考える必要はありません。肝心なのは、「何か起きても立ち直れる会社になるための力」を段階ごとに身につけることです。
① 準備する力(予防:Prepare)
サイバー攻撃をできるだけ防ぐための土台づくりです。パスワード管理、社員への教育、データや機器の整理、アクセス権限の設定など、日ごろからの備えが、この後の対応力を大きく左右します。
② 気づく力(検知:Detect)
攻撃や異常をすぐに見つける力です。「いつもと違う動き」に素早く気づける仕組みを持つことで、被害の拡大を防ぐことができます。
③ 対応する力(対応:Respond)
問題が起きたときに、あわてず決められた手順で行動する力です。担当者同士が連携し、被害を最小限に抑えることが重要です。
④ 元に戻す力(復旧:Recover)
バックアップなどを活用して、止まったシステムや業務を早く元の状態に戻す力です。仕事をできるだけ早く再開できるかどうかが、企業の信頼を左右します。
⑤ 学ぶ力(学習と改善:Lean & Adapt)
トラブルを振り返り、「次はもっと強くなる」ために改善を続ける力です。失敗から学び、同じ問題を繰り返さない仕組みづくりが、企業全体のレジリエンスを高めます。
この5つの力がそろって、はじめて本当のサイバーレジリエンスが実現します。どれか一つでも欠けてしまうと、十分な回復力は発揮できません。
なぜ今、サイバーレジリエンスが重要なのか
デジタル化が進んだ今、企業はクラウドやネットワーク、さまざまなシステムに大きく依存しています。そのため、ランサムウェアやサプライチェーン攻撃、未知の弱点を突く攻撃など、「完全には防ぎきれない」サイバー攻撃のリスクも高まっています。
もしサイバー攻撃によってシステムが止まってしまうと、仕事ができなくなるだけでなく、事業の停止、顧客からの信頼低下、法令対応、金銭的な損失や訴訟リスクなど、会社の存続そのものに関わる問題へと発展しかねません。お店が営業できなくなり、お客さまに迷惑がかかり、会社の信用が下がるといった影響も避けられないでしょう。
だからこそ今の企業には、「攻撃されないようにする」対策だけでなく、「攻撃されても立ち直れる会社」になることが求められています。これを実現する考え方こそが、サイバーレジリエンスです。
サイバーレジリエンスが企業にもたらす価値
サイバーレジリエンスを高めた企業は、トラブルに強くなり、障害が起きても重要な業務を止めずに続けることができます。その結果、顧客への影響を最小限に抑え、安心して取引してもらえる企業として信頼を得ることができます。
さらに、法令や規制への対応力も高まり、リスクに強い企業として評価されるようになります。こうした積み重ねは、企業の信用力を高め、長く成長し続けるための大きな強みとなるのです。
まとめ
いかがでしたか?
サイバーレジリエンスとは、サイバー攻撃にあってもあきらめず、すぐに立ち直れる会社になるための力です。これは、セキュリティを強くすることだけが目的ではなく、会社全体で支え合いながら、影響をできるだけ小さくし、早く元の状態に戻るための考え方でもあります。
サイバー攻撃がいつ起きても不思議ではない今の時代、企業にとって大切なのは「完璧に守ること」よりも、「何が起きても立ち直れること」です。サイバーレジリエンスは、企業の未来をやさしく、そして力強く支えてくれる新しいリスク管理の考え方と言えるでしょう。
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