叫ぶマーモットで話題沸騰!

ネットミームから学ぶマーモットの生態

SNSや動画サイトで人気を集めた「叫ぶマーモット」をご存知ですか?

山の中で突然「キィー」と叫ぶマーモットの動画が拡散され、ネットミームとして世界中に広がりました。

この「叫ぶマーモット」が実際どんな動物なのか、今回はマーモットの種類や生態、名前の由来などについてご紹介します。

マーモットってどんな動物?

マーモット(Marmot)は、げっ歯目リス科の動物で、リスの仲間としては大型の部類に入ります。体長は40-70cmほど、体重は2-7kg前後。ずんぐりした身体に短い足、ふさふさした尾が特徴です。

マーモットは主に、ヨーロッパ、北アメリカ、アジアの山岳地帯や高原に生息しています。標高の高い草原や岩場など、寒冷で過酷な環境に適応したいわば、「高山のリス」です。

マーモットは群れで暮らす社会性の高い動物で、巣穴を掘りその中で暮らしています。地中には寝室や貯蔵庫、逃げ道などが複雑につくられており、知恵と協力で生き延びているのです。

その暮らしぶりから、登山者の間では、「山の小さな番人」と呼ばれることもあります。

マーモットの鳴き声、「叫ぶ」理由は?

「叫ぶマーモット」が人気を集めた理由の一つは、マーモットのユニークな鳴き声にあります。そして、このユニークな鳴き声(叫びと呼ばれるもの)には、しっかりとした意味があります。

マーモットはとても警戒心が強く、外敵(キツネ、ワシ、オオカミ等)を発見すると、高い声で警戒音を鳴らして仲間に知らせます。その声が、「キィー」や「ピィー」と鋭く響くため、初めて聞く人にはまるで叫んでいるように聞こえます。

つまり、「叫ぶマーモット」は、命がけで仲間を守るために叫んでいる姿のことを指します。動画で見るとおかしくて可愛い印象ですが、自然界では非常に重要な警戒のサイン。

このギャップこそ、マーモットの魅力を一層引き立てています。

世界に広がるマーモットの種類と生息地

マーモットは世界で約14種が確認されています。それぞれの種類が独自の環境に適応しており、姿や習性も少しずつ異なります。以下で代表的な種類をいくつかみていきましょう。

アルプスマーモット(Marmota marmota)

ヨーロッパのアルプス山脈に広く分布するもっとも有名な種類です。標高800-3,000mの草原地帯に巣穴を作り、群れで生活します。長い冬眠期間を経て春に現れる姿は、アルプス地方の観光資源にもなっています。

アメリカマーモット(Marmota flaviventris)

北米・ロッキー山脈を中心に分布する種類で、「イエローベリーマーモット」とも呼ばれます。お腹の黄色い毛が特徴で、警戒音を上げる姿がとても印象的です。実はこのマーモットこそ、あの有名な「叫ぶマーモット」のモデルとなった種類なのです。

シベリアマーモット(Marmota sibirica)

ユーラシア大陸の寒冷な草原地帯に広く分布する種類です。寒さにとても強く、長い冬眠期間を耐え抜くために体内に脂肪をたっぷり蓄えます。ロシアやモンゴルでは、古くから「草原の番人」として知られています。

ヒマラヤマーモット(Marmota himalayana)

ヒマラヤ山脈やチベット高原に分布する種類で、標高5,000m付近の過酷な環境にも適応しています。厚い毛皮を持ち、寒冷地でも活躍できるのが特徴です。チベットでは縁起の良い動物とされ、仏教文化にも登場するほどです。

冬眠の達人!マーモットの生態の秘密

マーモットの生態の中で特に驚かされるのが、冬眠です。

秋になると、マーモットは食べられるだけの草を食べて脂肪をため、地中深くの巣穴にこもります。なんと、冬眠期間は半年以上。体温は数度まで下がり、心拍数も大幅に減少します。

冬眠中は群れで寄り添い合い、互いの体温で温め合い、見張り役を決めて、活動期には交互で外敵を監視するなど、社会的な行動もみられます。

叫ぶマーモットの元気な姿からは想像しにくいかもしれませんが、マーモットは「静」と「動」を使い分ける動物です。

マーモットの名前の由来

「マーモット」という名前はどこから来たのでしょうか?

語源は、フランス語の(marmotte)または、イタリア語の(marmotta)からとされています。さらに遡ると、ラテン語の(mures montani 山のネズミ)に由来するともいわれています。

その名の通り、「山に住むネズミのような動物」という意味が込められています。

ヨーロッパでは古くからマーモットが民話や伝承に登場しており、冬眠の姿から「忍耐」・「静寂」・「再生」の象徴とされてきました。特にスイスやオーストリアでは、マーモットのぬいぐるみや人形がお土産品として親しまれ、観光地のアイコンとなっています。

また、アメリカでは、「グラウンドホッグ(ウッドチャック)」というマーモットの近縁種が、春の到来を占う動物として登場する、「グラウンドホッグ・デー」が有名です。これは毎年22日に巣穴から出てきたマーモットの影をみて春の訪れを占う伝統行事です。

このように、マーモットは文化的にも人々の暮らしと密接に関わってきた動物といえるでしょう。

叫ぶマーモットで話題沸騰!

マーモットが近年一躍有名になった理由のひとつが、「叫ぶマーモット」の存在です。

この動画は、アメリカマーモットが「キィー」と鋭く鳴く瞬間を捉えた短い映像で、ほんの数秒の映像にもかかわらず、その強烈なインパクトが多くの人の心をつかみました。

そして、この動画はインターネット上で爆発的に拡散され、「ネットミーム」としてさまざまな形にアレンジされていきました。

ネットミームとは、インターネット上で急速に拡散・共有される「ネタ」・「表現」のことを指します。画像や動画、言葉、行動などがもとになり、ユーザーによって繰り返しアレンジされるのが特徴です。特にSNSや動画サイトを通じて広まりやすく、時には世界的なブームになることも。

「叫ぶマーモット」もその代表例で、短い映像が多くの人に笑いと癒しを届けるネットカルチャーの象徴となりました。

「叫ぶマーモット」のネットミームは、たとえば、ロックバンドのギターソロやアニメの名シーンのタイミングでマーモットが絶叫するパロディ動画、映画のセリフの途中で突然登場する編集版などがあります、これらがSNSを中心に広がり、マーモットという動物の存在を一気に世界中へと知らしめました。

まとめ

いかがでしたか?

「叫ぶマーモット」というネットミームは、偶然から生まれた世界的ブームでしたが、その裏には、マーモットの仲間を守るために声を上げるという、自然の中で生き抜く知恵が隠されています。

この「叫ぶマーモット」の動画を通じて、「マーモットってどんな動物?」・「どこに住んでいるの?」といった関心が世界中で高まり、人々が自然や生き物に目を向けるきっかけにもなりました。

癒やしと笑いを届けた「叫ぶマーモット」は、ネット文化を通じて、自然と人との新しいつながりを生み出した存在といえるでしょう。

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