
1970年大阪万博の記憶
-昭和の万博が教えてくれる未来-
今から半世紀以上前、日本が世界へ大きく羽ばたいた瞬間がありました。それが1970年に開催された「日本万博博覧会(以後大阪万博)」、通称「大阪万博」です。
戦後の復興を成し遂げ、高度経済成長を遂げた日本が、「人類の進歩と調和」をテーマに掲げ世界に自らの力を示した一大イベントでした。
今回はそんな1970年の大阪万博について振り返りながら2025年現在開催されている「大阪・関西万博」への期待もあわせてご紹介します。
アジア初の万博としての誇り-世界77カ国が参加-
1970年3月15日から9月13日までの183日間、大阪・千里丘陵で開かれた大阪万博は、アジアで初めての国際博覧会として世界から注目を集めました。
当時の日本はまさに「成長の真っただ中」。新幹線が全国へと広がり、テレビもモノクロからカラーテレビに切り替わるタイミングで、人々の生活に未来への期待が満ちていた時代です。
来場者数は6,400万人を超え、日本国民の半分以上が訪れたという記録も残っています。会場には当時の最新技術を詰め込んだパビリオンが立ち並び、未来社会の縮図ともいえる景観が広がっていました。
大阪万博は、77カ国が参加。アメリカ、ソ連(現ロシア)、フランスなどの大国だけでなく、ビルマ連邦(現ミャンマー)、ラオス王国、セイロン(現スリランカ)など、アジア・アフリカの発展途上国も数多く名を連ねました。
特に、ビルマ連邦(現ミャンマー)、ラオス王国、セイロン(現スリランカ)などの新興独立国の参加は、当時の世界における日本の外交的な信頼と文化的な影響力を示すものでもあったといえます。
シンボルマークは「桜」
1970年大阪万博の公式シンボルマークをご存知でしょうか?それは日本の国花「桜」をモチーフにしたもの。
大阪万博のテーマ「人類の進歩と調和」を視覚化したもので、「桜」の5つの花びらは世界(五大陸)を、中央の円は日本を表しており、世界が手を取り合い大阪万博に参加するという意味が込められています。
この「桜」のシンボルマークは、当時、切手やポスター、チケットなど至るところで使われ、大阪万博への期待感をさらに高めていました。
太陽の塔に込められたメッセージ
1970年大阪万博の象徴といえば、「太陽の塔」を外すことはできません。太陽の塔は、現在も万博記念公園にそびえ立ち、人々の記憶をつなぎ続けています。
太陽の塔は、過去・現在・未来を貫いて生成する万物のエネルギーの象徴とされ、未来は予測できないが、自分たちで創っていくというメッセージが込められた、大阪万博の本質が表現されたアート作品だったのです。
「月の石」に沸いたアメリカ館
数ある展示の中でもひときわ注目を浴びたのが、アメリカ館に展示された「月の石」です。
1969年に、アポロ11号が人類初の月面着陸を成功させたばかり。そこで採取された「月の石」が、早くも翌年の大阪万博で日本に展示されたのです。
「月の石」を目にするため、アメリカ館には連日長蛇の列で、最大5時間待ちという大行列ができたとも言われています。
今でこそ展示で「月の石」をみる機会もありますが、当時はまさに「未来」そのものであり、まさしく人類の可能性を体感させる展示だったといえるでしょう。
1970年大阪万博が残したもの-「日本の未来」の原点-
大阪万博は単なるイベントではなく、その後の日本社会に多くの影響を与えました。
例えば、ワイヤレステレフォン(携帯電話)、動く歩道、電気自動車、など当時は「未来の夢」の存在だと思っていた技術が次々と展示されました。これらは今の私たちの生活にも繋がる原点ともいえます。
また、世界中の文化や芸術、生活様式に触れることで、多様性を理解し合う大切さも大阪万博を通じて広まりました。
再び世界が大阪に-2025年大阪・関西万博-
そして今、2025年、再び世界が大阪に注目しています。「EXPO2025大阪・関西万博」が夢洲を舞台に開催中です。
テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。持続可能や最新テクノロジー、ウェルビーイングなどをキーワードに、現代社会が直面する課題に向き合いながらより良い未来をデザインすることが期待されています。
すでに大阪・関西万博を訪れた方々からは、「よかった」、「楽しかった」という声も多く届けられています。
1970年の大阪万博が日本の高度経済成長を象徴するものであったように、2025年の大阪・関西万博は、未来の持続可能な社会への提案として日本が再び世界の先頭に立つチャンスといえるでしょう。
参考:万博記念公園 ・EXPO2025 大阪・関西万博公式サイト
まとめ
いかがでしたか?
1970年の大阪万博は、日本人にとって未来のビジョンを見せてくれた文化的な体験でした。そして2025年の大阪・関西万博もまた、その精神を引き継ぎ、「未来を形作るための挑戦」となり、私たちは再び「未来とはなにか」を考える絶好のチャンスに立ち会うこととなるでしょう。
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