改めて考えよう、「倫理と道徳」

~ビジネスエシックスを用いて~

学生時代の教科としてもあった「倫理」と「道徳」。その倫理と道徳について説明することが出来ますか?

倫理と道徳、実は似ているようで多少異なります。改めて問われると難しいですよね。そこで今回は倫理と道徳について解説しビジネスエシックスについても紹介したいと思います。

倫理とは?道徳とは?

言葉としてはなんとなく意味は掴めるものの、改めて、倫理・道徳とは、具体的にどういうことでしょうか。辞書を用いて調べてみました。

辞書で「倫理」と引くと、『人間生活の秩序つまり人倫の中で踏み行うべき規範の筋道(の立て方)』と出てきます。分かりやすく『社会生活の中で決められたことを人(社会)として守るべきこと』と言い換えると分かりやすいかもしれませんね。

それでは道徳とはどういうことでしょうか。こちらも辞書で「道徳」と引くと、『社会生活を営む上でひとりひとりが守るべき行為の基準(の総体)。自分の良心によって、善を行い悪を行わないこと。』と出てきます。こちらも『社会生活の中で決められたことを個人として守るべきこと』と言い換えると理解しやすいのではないでしょうか。

倫理と道徳の違い

倫理と道徳、どちらも人として社会的に正しい行為の基準を示していますが、倫理とは社会的な規範を表し、道徳とは個人的な規範を表す違いがあります。

倫理と道徳の使い分け方として、倫理は、「医療倫理」、「政治倫理」、「情報倫理」のように社会的な規範になるように用いられるのに対し、道徳は、「道徳心」、「道徳の高い人」、「道徳観」のように個人的な規範として用いられます。

このように社会的・個人的な観点から倫理と道徳を使い分けることが出来ますね。

ビジネスエシックスとは

日本では「企業倫理」という言葉がありますが、英語では「ビジネスエシックス(Business Ethics)」と呼ばれ日本の「企業倫理」より早く1970年代後半から使用されています。

この時代のアメリカでは企業による不祥事が続いており、企業が社会的責任を認識し経営にその責任を果たすための仕組みを創り上げるべきという考えが広まりこのビジネスエシックスが生まれたようです。

非倫理的・不道徳的背景から生れた言葉ですが、企業は利益を追求するだけではなく、社会に貢献できる存在となれるよう倫理観を育んでいくという大切な意味合いを持っています。

ビジネスエシックスからみる倫理と道徳

ビジネスエシックスが生まれた背景、不祥事から倫理と道徳をみていきたいと思います。利益を追求するばかりで不祥事、例えば贈収賄、不正検査、不当表示、個人情報紛失等を行った場合企業は非倫理的といえます。またそれに加担した従業員は不道徳的といえます。「非倫理的」・「不道徳的」というマイナスな言葉から倫理と道徳を用いましたが倫理と道徳の使い分けとして分かりやすいのではないでしょうか。

では社会の一員、企業の一員として働く私達はどうしていけばいいのでしょうか?
まずはこんなことから始めてみるのをお勧めします。

<社会の一員として個人が心がけること>

・従業員側は自分たちの行為が道徳的であるか否か関心を持って行動する。

・不正に手を出さない。

・当たり前のことを当たり前に実行する

・約束を守る

・目の前の相手への思いやりをもつ

<社会の一員として企業側が心がけること>

・企業側は不祥事を起こさないように従業員を守る基準をつくる。

・組織体制、相談窓口の確立、教育、研修等を実施する。

・法令遵守はもちろんのこと、利益追求だけでなく人権保護、自然環境など道徳的観点から企業活動を行うこと

まとめ

みなさんは日頃から倫理と道徳を意識して行動されていますか?

実は身近にあると思います。挨拶をする、時間を守るという事だけでも道徳的ですし、仕事をしている人であれば企業内で会社の規約を守ることは倫理的だと思います。

ビジネスエシックスからみると、経営者は従業員の意見を聞き守る、社会貢献する倫理観を持ち合わせること、従業員は道徳的に規律を守り動くことが大事です。そして、そんな一人ひとりの心がけが社会全体の倫理感や道徳感を深めていくことになると思います。

日頃から意識して行動することで社会の一員として役立っていきたいですね。

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