パナソニックの創始者である松下幸之助は、世界的にも有名な経営者です。その経営哲学や商売への考え方の書籍は世界中で翻訳され、「経営の神様」とも称されています。今回は、偉大なリーダー松下幸之助とはどんな人物か、また彼が残した数々の名言の中から7つを紹介します。

松下幸之助はどんな人物？

和歌山で生まれた松下幸之助は、小学校を中退し、9歳で大阪に丁稚奉公に出されます。路面電車を見て感動した彼は、これからは電気の時代が来ると考え、16歳で大阪電灯（現在の関西電力）に入社します。当時、電球の取り外しは危険な作業であったため、簡単に電球を取り外すことができる電球ソケットを在職中に考案、23歳で松下電気器具製作所を創業しています。

その他にも、PHP研究所を設立して倫理教育や出版活動をしたり、晩年は政治を志す人達の学び舎である「松下政経塾」を立ち上げ、そこから多くの政治家を輩出しています。

日本人の生活が激変！松下幸之助がもたらしたもの

ここでは、松下幸之助が日本に導入したものを見ていきましょう。

①家電の普及

水道水のように低価格で良質なものを大量供給することにより、物価を低廉にし消費者の手に容易に行き渡るようにしようという「水道哲学」に基づき、今では生活必需品となった家電を一般家庭に普及させ、家事の負担軽減に貢献した。

 

②週休2日制の導入

仕事の生産性の向上を目的とし、2日間ただ休むのではなく、1日を休養に使い、もう1日を教養につかうことを推奨した。

 

③無料サンプルの配布

当時はだれもしていなかった無料サンプルの配布を行い、商品の良さを実感してもらうことで、販売数を飛躍的にのばすことに成功した。

心に響く松下幸之助の言葉7選

■失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れたほうがよい。真剣ならば、たとえ失敗しても、そこから何かをつかむものである。

仕事でも勉強でも、一生懸命に行った結果失敗したとしても、その失敗から学ぶことはたくさんあります。何事もやるのであれば真剣に全力でやってみるという姿勢が大事ですね。

 

■人と比較をして劣っているといっても、決して恥ずることではない。けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、もしも今年が劣っているとしたら、それこそ恥ずべきことである。

他人と比べるのではなく昨年の自分と比べることで、日々努力すること、成長し続けることの大切さを述べた言葉です。

 

■学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である。

小学校を中退してからずっと働いてきた松下幸之助は、生涯働きながら自力で学び続けました。たとえ学校に通わなくても、学ぶ心さえ持っていれば、あらゆることから学ぶことが出来るというのが彼の考えでした。

 

■叱ってくれる人を持つことは大きな幸福である。

歳を重ねるほど、また社会的な立場が上がるほど、叱ってくれる人は少なくなります。自分に苦言を呈してくれる人がいることは幸福であり、叱られることは自身が成長するチャンスなのです。

 

■商売とは、感動を与えることである。

商売には必ず相手がいること、そしてその相手に感動を与えるためには、アイデアとそれを活かすための相当な努力が必要であるという、松下幸之助の商売というものへの信念が伝わってくる言葉です。

 

■売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永久の客を作る。

 「アフターサービス」という言葉が、まだ一般的ではなかった昭和初期に、すでに松下幸之助はその重要性を説いていました。商品やサービスを買ってくれたお客様に、息の長いリピーターになってもらえるよう、感謝の気持ちを忘れず、誠意ある対応を心がけることが大切であるということですね。

 

■逆境もよし、順境もよし。要はその与えられた境遇を素直に生き抜くことである。

 「素直」には色々な解釈があるようですが、与えられた運命に対して、抗うことなく、真摯に向き合うという意味があるようです。どんな境遇でも、それを受け入れて前向きに対応すること、それが自身の運命を切り開くということを教えてくれる言葉です。

まとめ

松下幸之助の名言は、仕事に関するものから人生観に至るまで多岐にわたります。今回は数多ある名言の中から、ほんの一部を抜粋しましたが、今を生きる私たちにとっても心に響く言葉ばかりではないでしょうか。

一代でパナソニックという大企業を築き上げたその経営手腕に敬意を払うとともに、考え方、人柄にも学ぶべきところがたくさんあると思います。松下幸之助は、仕事を頑張っている時、人生に悩んだ時など、その時々で私たちの背中を力強く押してくれる偉大な存在ではないでしょうか。