日常に役立てる
ドラッガーの「マネジメント」

「マネジメント(management)」とは、訳すと「管理」や「経営」という意味になりますが、今では、組織の管理や運営を示す言葉として広く使用されています。このマネジメントという概念は、アメリカの経営学者ピーター・ドラッガーが生みの親だそうです。

今回は、ドラッガーが提唱するマネジメントから、日常においても役立つセルフマネジメントについて学んでいきたいと思います。

現代経営学の父・ドラッガー

ピーター.F.ドラッガー(1909~2005)は、「現代経営学の父」と呼ばれ、1973年に出版された『Management』という著書において、経営の本質を理論化し、世界中のあらゆる経営者に多大な影響を与えたとされる人物です。この『Management』は1974年に日本語に翻訳され、経営学の普遍的な教科書として今なお多くの人々に読み継がれています。

ドラッカーは、「まず自分をマネジメントできなければ、他者をマネジメントすることはできない」という言葉を残しています。一般にマネジメントというと、部下や組織など自分以外の他者に働きかけていく行動だと思われがちですが、彼は、マネジメントの起点を常に「自己理解」に置いていたそうです。

自分の内面に意識を向けることで、望む結果を手に入れる

人は、普段は自分の外にあることにしか意識が向かないものですが、いざ自分に意識を向けてみると、実はいろいろなシグナルが内面から発せられているのです。そこに気づけるかどうかは、望む結果を導くための大きな分かれ目になるといえるでしょう。自分の認識や行動を変えることで、他者や社会に対する影響を変え、自分が望んでいた結果を手に入れることが、ドラッカーのマネジメント論の基本となる概念です。

日常でも仕事でも、もし自分が望まない結果が起こってしまったとすれば、それは自分が無意識に選んだ選択肢によるものです。つまり、望まない結果が生まれた理由は、私たちの内面にあります。だとすれば、自分の内面に意識を向け、考え方や感情のクセ、行動のパターンなどを深く理解することができれば、今まで見えていなかった選択肢に気づくことができます。自己理解により、選択肢が増えれば行動が変わり、結果も確実に変わってくることでしょう。

セルフマネジメント力を身につける方法

セルフマネジネジメントとは、目標達成や自己実現のために、自分を律し管理する自己管理能力のことで、自分自身を会社のように経営するというイメージです。ここでは、セルフマネジメント力を身につけるために必要なことを見ていきましょう。

■自分のことを理解する

セルフマネジメントで一番大切なのは、自分の強みはどこにあるのか、自分が持っている価値観や信念はどのようなものがあるのか、など自分のことをより深く理解することです。自分の強みを基礎にしてパフォーマンスを上げると同時に、強みがあるからこそ生じる弊害などもしっかりと認識することが大切です。

■行動の目的を明確にする

私たちは日々の生活や仕事上の業務の中でも、「今までやってきたから」と習慣化された行動をやり続けていることも多いものです。その習慣は、いつの間にか目的が忘れられ、その行動や作業を続けること自体が目的になっている場合もあります。必要なのは、目的を明確にすることです。また限られた時間で成果をあげるために、タイムリミットを意識することも大切です。

■フィードバックをして自分の行動を振り返る

目的を明確にして、目的に向けての取り組みを始めたら、定期的に自分がとってきた行動の効果を振り返ることも重要です。目的が達成できているかという点ではなく、自分自身の行動に注目するようにしましょう。 フィードバックをしていく中で、自分ができることとできないことが分かり、課題解決につながります。

まとめ

セルフマネジメントとは、自分の内面に意識を向け、自分の心身をより良い状態へ持っていくための取り組みのことで 、継続的にパフォーマンスを上げるための必須のスキルだといえるでしょう。世界的な経営学者であったドラッガーも、重要性を説くセルフマネジメント。コロナ禍における現在のような不確実で不安定な環境では、その重要性がますます高まってくることが予想されます。

この先の読めない時代においては 、自分の強みや価値観を理解した上で、目指す可能性を広げていきたいものですね。

 

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